白金堂ブログ

田中阿季羅が白金堂にまつわる様々な話をお届けします。
 

紫砂宜興壺

最近、宜興壺の修理を多く頂戴します。下の写真は、先般ご依頼を戴きました紫砂宜興壺です。丸型のものが多いのですが、今回は本体と蓋共々角型で、蓋の角に欠けがあり、本体は注ぎ口が根元から外れていました。
其々を漆で接着・欠け埋めをし純金丸粉24Kで蒔絵を施しました。元々の接着面積が狭いので、タイトな作業となりましたが、良い感じに仕上がりました。

P1080499.jpg
「修理前」

P1080565.jpg
『修理後』

P1080567.jpg


P1080568.jpg


P1080569.jpg


P1080573.jpg

P1080576.jpg
【純金丸粉24K(金99,99%)仕上げ】

〖銀継ぎ〗徳利・汲出・小鉢

純金で仕上げる 【金継ぎ】 のご依頼を多く戴きますが、夏季に使用する器は、純銀仕上げの 〖銀継ぎ〗 もおすすめです。
季節的にお料理のお席では、縁金のバカラや切子のガラス器が使われることが多いので、涼しさや色調的なバランスの面でも良いかと思います。
古染付や芙蓉手などの呉須が基調の器、特に鼠志野や絵唐津などグレー系の渋めの器には、純金よりも純銀がフィットすることが多いです。

P1080465.jpg

P1080471.jpg『絵高麗徳利』

P1080473.jpg
P1080474.jpg『交趾笹文様汲出』

P1080475.jpg
P1080478.jpg『青釉水玉文様小鉢』

『新緑の候』

DSC_0602_edited-1.jpg

DSC_0599_edited-1.jpg

DSC_0600_edited-1.jpg

【日経MJ】

10年ほど前から日経MJを購読しています。月・水・金の週3日の発行で、14面前後と読みやすく、毎回、色々と参考になる記事が多いので楽しみにしています。
先日の紙面に、「なるほど!」「確かに!」と共感できる記事がありましたので、紹介したいと思います。

志村けんさんの「利他的発想」

喜劇王の志村けんさんの新型コロナウイルスによる死去に、多くの人が深い喪失感を覚えた。数々の追悼番組を見ると理由が分かる。笑いの中に他者への深い優しさが練り込まれているからだ。

名優の故・高倉健さんの名言も話題になった。「ビートたけしさんの笑いは狂気で、志村さんは哀愁がある」と。ダウンタウンの松本人志さんと比較して「俺の方が凶暴で、俺の方が優しい」。

一時代を築いたコメディアンたちはどこか共通している。面白さを提供する人々は必ずしも社交的というわけではなく、シャイで内省的だ。自分の存在理由をとことん考えるから、逆に利他的になれる。この結果口当たりのいい優しさではないので、深く、長く愛されるアイデアが生まれる。

経済の分野では、やはり米アップルを作ったスティーブ・ジョブズ氏だろう。電機メーカーはやたらとリモコンのボタンを増やしたがるが、iPhoneは1つにした。実に使いやすく、美しいスマートフォンは世界を変えた。これが利他的な優しさマーケティングではないか。

ジョブズ氏の伝記を読むとやはり狂気をはらんだ性格のようだ。その強烈な「自分探し」がアップルというコアファンを引き寄せるブランドを作り上げた。

「客のため」より「客の喜び」

かなり究極の話をしたが、新型コロナ以降、消費者はさらに慎重になるだろう。危機に見舞われ、人々は「なんとか自分は助かりたい」という利己的な思いと、「つらい人をなんとか助けたい」という利他的な気持ちが日々交錯している。

だからこそ、優しさと気遣いという言葉が重みを持つ。言い方を変えると、「顧客のため」ではなく、「顧客の立場に立つ」という姿勢だ。

顧客のためというのは多くはお仕着せが多い。売り上げを優先した余計な機能や無駄なパッケージなど売り上げを優先した付加価値だ。一方で、顧客の立場に立つとは、顧客のニーズから逆算する経営姿勢に他ならない。近年の米ウーバーテクノロジーズや米エアビーアンドビーなどはその代表だろう。

コインパーキングやカーシェアリングのパーク24の西川光一社長に「カーシェアの会員、やめる手続きが簡単ですぐやめられますね」と質問したことがある。すると「自分自身がやめにくいようなサービスは嫌いだから」と答えてくれた。当たり前だがビジネスでも自分が嫌なことを他人にしてはいけないのだ。

大量生産・大量販売の20世紀型モデルの転換が急務と企業は口をそろえながらも、なかなか量より質の21世紀型モデルへのシフトは進まなかった。こんなウイルスは本当に勘弁してほしいが、せめて何が必要で、何が要らないのか、価値ある社会とは何かを考えるきっかけにしたいところだ。

志村さんはこんなことを語っている。「人を笑わせるのではなく、笑われるのが好きなんだ」。自分をだれよりも下に置き、顧客の喜びを優先する希代の喜劇王の言葉はまさに優しきマーケティングの神髄だ。

出展:日経MJ(編集委員 中村直文)氏

DSC_1001_edited-1-1.jpg
「JR花園駅のハナミズキ」

『花冷の候』

桜の咲く時期は陽気が変わりやすく、ふいに薄ら寒い日があります。特に京都の「花冷え」は有名で、花冷えという言葉自身、京都で言い出したのではないかと思います。しかしながら、報道では関東地方で積雪があったとのことで、満開の桜の花の上に雪が被っているという花冷え以上にシュールな映像が流れておりました。このような事が続きますと、将来的には蝋梅の様に花びらが厚くなり下向きに咲きだすのでは?と変に心配する今日この頃です。新型コロナウイルスの影響もそれ以上に心配で不安な日々が続いています。一日も早い収束を願うばかりです。

DSC_0492_edited-1.jpg

紅彩梅文様花瓶

口径が尺(約30cm)高さが尺5(約45cm)近い大きな花瓶です。口縁部分が大きく破損しています。其々の破片を慎重に接着し元の形へ戻していきます。大きく重たい上、破片の線が複雑に交差しておりますので難しい事例でしたが、何とか中塗り地描きの上、蒔絵を施しました。
蒔絵部分が呉須の枝と同期して、紅彩の生地が純金の線をより引き立てる形となり美しくオンリーワンの花瓶になりました。


P1080224_edited-1.jpg
「修理前」

P1080227_edited-1.jpg

P1080351.jpg
P1080346.jpg
  『修理後』

P1080348.jpg
『純金丸粉24K(金99,99%)仕上げ』

P1080350_edited-1.jpg
『make a fresh start in life ! 』

人間国宝 中島 宏 造 ぐい吞

独自の青磁と造形美を追求された 中島 宏氏(佐賀県武雄市)の ぐい吞です。 青磁に薄く紅を纏った独特の色調で 「粉紅磁(瓷)」 と呼ばれています。
器は前回欠けの修理でお預かり致し、今回は割れの修理でご依頼を戴きました。
前回の部分も含め全て新たに、接着・欠け埋め・中塗り・地描きの工程を施し、純金丸粉24Kで蒔絵をして修理させて戴きました。貫入が美しい薄紅梅の色調と純金の線が相まって、新春から一杯やるのにもってこいのぐい吞となりました。


P1080012.jpg
「修理前」

P1080136.jpg
『修理後』

P1080139.jpg

P1080140.jpg

P1080141.jpg

P1080142.jpg

P1080143.jpg
『金継ぎ:純金丸粉24K(金99,99%)仕上げ』

 

年末年始休業期間のお知らせ

謹啓 師走の候 皆様方におかれましては 益々ご清祥のことと心よりお喜び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、有り難く厚く御礼申し上げます。
さて、洵に勝手ながら弊社では、本年度の年末年始につきまして下記の通り休業させていただます。お問い合わせの返信につきましても 6日(月)以降とさせて戴きますが、何卒ご了承のほどお願い申し上げます。
今年一年のご愛顧を賜りました事に御礼を申し上げるとともに、新年も引き続きお引き立て賜りますよう心よりお願い申し上げます。
                                 謹白


年末年始休業
令和元年12月31(日)~令和2年1月5日(日)

『雪中竹』.jpg
神坂雪佳『雪中竹』

夜の大覚寺


DSC_0763_edited-1-1.jpg
『真紅な紅葉と春を待つ桜』

DSC_0771_edited-1-1.jpg
『嵯峨菊』

DSC_0778_edited-1-1.jpg
『大沢池の水鏡』

DSC_0764_edited-1-1.jpg
『gradation・・・綺麗!』

第114回 京料理展示大会

毎年、商社ブースで参加させていただいております 『京料理展示大会』 が12月13日(金)・14日(土) の両日に、京都市勧業館「みやこめっせ」で開催されます。
京料理の展示を始め京料理教室、舞妓さんによる京の舞、京野菜や京名品の販売、マグロ解体及び即売等、盛りだくさんの内容となっております。
弊社では、特別ご優待(当日一般800円を600円に!)チケットはがきをご用意させていただいておりますので、ご希望の方はメールまたは、FAXでお問い合わせ下さい。皆様のご来駕心よりお待ち申し上げます。


2019. 京料理展示大会20191102.jpg
http://www.kyo-ryori.com
https://www.facebook.com/kyoryoriexh

染付麦文様花瓶〖銀継ぎ〗

花瓶は通常お水を入れて使用しますので、実用使用をしない時は、不安定なものが割と多く見受けられます。今回ご依頼の花瓶も、口部分の口径よりハマ部分の直径が小さいので倒れやすい形でした。多数の破片と共に複雑に割れた状態になっています。
其々の破片を漏れが発生しないよう慎重に接着し、色調が呉須のダミに白抜き文様でしたので、中塗り・地描きは浅黄漆を使用し純銀丸粉で蒔絵を施しました。意匠的に初夏のものでしたので、銀継ぎのご提案をさせて戴きました。

P1070875_edited-1.jpg
「修理前」

P1080001_edited-1.jpg
「浅黄漆で中塗り・地描き」

P1080048_edited-1.jpg
『修理後』

P1080040_edited-1.jpg
〖純銀丸粉:大極上々銀仕上げ〗

雲泉造 染付色絵平鉢

先般ご依頼を戴きました 京焼 加藤雲泉造 平鉢です。側面の割れと見込み部分に回り込むようにヒビが入っています。
通常、割れと同時に割れた部分から見込み方向へヒビが入る事が多いのですが、今回の依頼品は割れた部分とヒビの部分がセパレートになった珍しいケースでした。また、見込みのヒビ部分には段差が生じており難しい事例ではありましたが、ヒビの形が器の意匠と同化し良い感じに仕上りました。

P1070854.jpg
「修理前」

P1070989.jpg
『修理後』

P1070992.jpg


P1070996.jpg
【純金丸粉24K(金99,99%)仕上げ】

残暑お見舞い申し上げます。


鈴木其一2.jpg「朝顔図屏風」 鈴木其一   

染付笹文捻徳利〖銀継ぎ〗

今日は七夕ですね。今回ご紹介させていただく器は、そんな季節にピッタリな徳利です。捻じられた生地に呉須で上品に笹が描かれています。細い線と余白で清涼感や揺らぎを感じます。
依頼品は、注ぎ口から首にかけて割れ一部欠けもございました。其々の破損個所を漆で接着・欠け埋めした後、純銀丸粉(大極上々銀使用)で蒔絵を施しました。
ロイヤルコペンハーゲン等の洋陶も含めて染付には、色調的に純銀丸粉使用の銀継ぎや白金泥(Pt99,99%)使用の白金継ぎもおすすめです。

P1070865.jpg
「修理前」

P1070977.jpg
『修理後』

P1070978.jpg

P1070979.jpg

P1070980.jpg
『欠けた部分』

P1070981.jpg
『内側にも笹が描かれています』

月別 アーカイブ

お見積り